強烈な過去の幻影
久々に連勤でへとへとです。今日ようやくの休み。
仕事がありがたくも忙しく、とはいえシフトは削られてカツカツな日々。
夫も仕事を辞めて、今は二人の時間が増えて私はとても嬉しく思うし、仕事で疲れて帰ってきてから家のことをやらずに済むと言うのは大変ありがたいことだ。
前置きもここまで、ところで最近、とてつもなく強烈な過去の幻影が目の前によく現れれる。
それはとても懐かしい映像で、人は誰も視えてはこない
昨日、アラームに叩き起こされて寝ぼけながら見たものは、強烈に感じた昔通った街への郷愁だった。
かつての恋人が住んでいた街で、四年半も通ったとある街。
その駅の近くの公園が、あの銀色の時計が、あの高い木々達が。そしてあの、がらんとした空気の通る、灰色の駐車場……。
呼ばれた気がした。凄まじく、呼ばれているような気がした。
かつての恋人は視えなかった。私一人だけが、それでもかつてのあの時間のあの空間に手繰り寄せられているような、
そこの場所だけ、あの時の空間だけ。いや、もしかしたら「あの時」なんてものは存在しないのかも知れないが、紛れもなくあの場所はあの場所なのだ。
私が制服を着ていた頃から通っていたあの街の、あの駅。なぜか思い出すのは夏の頃ばかりだ
人は、視えてこないものだ。
別に誰が悪かったとか、そう言う話ではないのだ。
何が呼んでいるのかも解らない、けど、確かに呼ばれている。そんな気がする、もうかつての恋人だった男に未練は微塵もなく、私は今結婚もして幸せで、ただ、あの場所だけが呼んでいる。過去の真夏に、虚無と呼ぶには少し寂しく、空っぽというにはもう少し柔らかい風が、ゆっくり、しかしまっすぐ通る風に、呼ばれている気がするのだ
過去に戻りたい訳でもなく、ただ、懐かしいその場所が、色をさほど着けずに呼んでくるのだ。
そしてその場所も風もこう言うのだ。
「一人で来なさい」と
しかし、少しばかり思い出話をしてしまうと、あの街のあの駅の、ほんの少し駅から離れた所に、ある薔薇の楽園のようなギャラリーカフェがあった。
そこは正門入り口は「いらっしゃいませ」のような看板が立てかけられており、本日の作品の紹介などが軽く説明書きされてあったりした。
「OPEN」なのか「CLOSE」なのか、なぜかいつもちら、と見て通り過ぎる。
冬に映える、北欧カラーの塗装が好きだった。
昔、かつての恋人と「いつかここに来ようね」と約束していたっけか、
その約束が果たされることはなかった
あのカフェを過ぎて、角を曲がり、そしてまっすぐ行った後また角を曲がる。まっすぐまた行く。近くに雑木林がある。通り過ぎ、畑や住宅街が見えてくる。
私は、あの畑とその坂から見える遠くの景色が好きだったなと、ふと思い出す。
四年半も通った街だ。そして通った家だ。今でも鮮明にあの道順を頭の中で辿ることができる。
あの街の色々なものが、突然ブワッと鮮明に私の脳裏に、最早目の前と言っても過言ではない、その世界に飲み込まれた気がした。
唐突に、あの頃のあの子に謝りたいと思った。
酒に酔っている、
そして昨日見た夢は、高校時代に一目惚れして片想いをしていた男子が同じくらい大人になっていて、別の女と結婚して冴えないスーパーの店長になっている夢だった。